6月7日、MUFGスタジアム(国立競技場)でラグビーリーグワン・プレーオフトーナメントの決勝が行われ、レギュラーシーズン1位のコベルコ神戸スティーラーズが、同3位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイを22-13で破った。
レギュラーシーズンの平均得点はともに40点前後と攻撃力に自信を持つ両チームだったが、試合はロースコアの展開となった。
序盤は一進一退の攻防。ペナルティゴールを決め合いながら、スピアーズはPR為房慶次郎、スティーラーズはWTBイノケ・ブルアがそれぞれトライを奪い、13-13でハーフタイムを迎えた。
後半に入ると、徐々にスティーラーズがテンポアップ。相手陣に攻め込む時間が長くなり、ペナルティを誘っていく。43分、PGを決めて勝ち越した。
55分には、「試合の流れを変えた」(ブロディ・レタリック主将)というビッグプレーが生まれる。スピアーズがゴール前のモールでトライを狙うも、最後はPR髙尾時流がジャッカルを決めてピンチをしのいだ。バックスの攻撃は手詰まり、得意のフォワード戦でも崩され、スピアーズはここで心が折れたように見えた。
結局、スピアーズは後半無得点。スティーラーズは日本代表のキッカーでもある李承信が冷静にゴールを決め続け、2本のPGを加えて22-13で逃げ切った。
「神戸製鋼」時代に日本選手権優勝10回、トップリーグ優勝2回を誇った名門が、初のリーグワン制覇を成し遂げた。
影のプレーヤー・オブ・ザ・マッチ、髙尾時流が語る

前述の通り、ビッグプレーを決めた髙尾。「相手のずらしモールに対していいディフェンスができて、ボールが見えたので(ジャッカル)にいけた」と振り返った。ジャッカルは今シーズン初で、これから得意なプレーにしたいという。NBA選手のようなヒゲがトレードマーク。「1年ぐらい生やしています。ひげ剃ったらおぼこい(可愛い)ですよ」と笑った。
筑紫台高校、九州共立大学を経て、スティーラーズにトライアウトで入団。決してエリートコースではない。「最初は山中(亮平)さんとか、TVで見たことある人がいて『イカツイな』と思いましたけど。遠慮しててもしょうがないな」と臆することなく語った。導いてくれた存在として、平島久照氏、山本幸輝氏ら引退した先輩PRの名前を挙げた。中でも山本氏が加入当初に「目立たないけどいい選手だ」と評価してくれたことが嬉しく、自信となっていったようだ。そしてもう一人、タイトヘッドPR山下裕史にも触れ、「プロップ飲み会を開いてくれているんです」と明かした。
自身の強みとしては、セットプレーそしてスティーラーズが求める“アンストラクチャー”の理解度をあげた。
取材・文:竹林徹(リードラグビー)
