リーグワンDIVISION1開幕節。王者クボタスピアーズ船橋・東京ベイは、東京サントリーサンゴリアスに26-52で敗れたが、先発出場したこの人は見せ場をつくった。
オペティ・ヘル。身長190cm、体重は130kg近くという規格外のサイズを誇るオーストラリア出身のプロップだ。居住年数の条件を満たしたことで、今季からいわゆる”外国人選手枠”を外れ、日本代表資格を持つカテゴリAでプレーする。
7-35とビハインドで迎えた後半の入り。ヘルの突進に会場がどよめいた。中盤でボールを持つと、リーグ随一のハードタックラーとして知られる相手FL山本凱を弾き、さらに2~3人を巻き込んで一気に相手陣内22m手前まで迫る。そして直後のラインアウトからこぼれ球を拾って、インゴールへ。SO高本幹也を正面からはねのけ、反撃ののろしを上げるチーム2トライ目をあげた。
試合後のミックスゾーンで本人にコメントをもらったが「体重は3キロ減った」とのことで、昨シーズンに比べてシェイプアップ、持ち前の瞬発力がさらにアップしているようだ。
課題は「良くなかった」と苦い顔をしたスクラムワークだ。この試合、ヘル側のスクラムが潰れる場面が何度かあり、ペナルティーもとられてしまった。
相手スクラムを束ねたサンゴリアスのHO堀越康介は「相手は大きかったので力を100%出されないように、キュッと詰めた」、ヘルを攻略した対面のPR小林賢太は「堀越さんといいコネクションがとれた。相手を窮屈にするスクラムを組めた」と話す。コンパクトにまとまったスクラムに上手く対処された。
ヘルはこの試合、自身の強みである突破力とトライ能力を存分に発揮した。日本代表への夢を叶えるためには、残りのリーグ戦でスクラムでも前に出てアピールしたい。