ラグビー日本代表は11月20日(日)、世界ランキング2位のフランスと戦い17-35で破れました。後半に2トライをあげ、60分まで11点差としていましたが及ばず。フランスはこれで驚異の13連勝、無敗で2022年を駆け抜けました。日本はフォワードの力不足と、キック処理などに課題が見えた一戦。ウィングに入った、ディラン・ライリーが獅子奮迅の働き。
力量差を感じたフォワード
プレビュー記事で「セットプレーで相手を制圧し、個々の走力もあるフォワードを要警戒」と触れた、フランスフォワードがやはり力強かった。
注目選手として名前をあげた162kgのウイニ・アトニオがリードするスクラムは、1本目でいきなり日本のペナルティーを誘います。以降スクラムは抵抗したものの、フィールドプレーで大きな差がありました。ギョーム・マルシャンや、グレゴリー・アルドリットらが再三ボールを持って突破。対する日本は、ワーナー・ディアンズ、ピーターラブスカフニが突破を試みようとしても、フランスフォワードに仰向けにひっくり返されてしまいます。
圧力からか、日本フォワードの足が止まって失点につながる場面も。
ライリーは獅子奮迅の働き
苦しい試合展開にあっても、この試合ウィングに入った、ディラン・ライリーは攻守に獅子奮迅の働きを見せていました。ボールを持てば確実にゲイン。ディフェンスでも、FB山中亮平があげたキックをチェイスし、ターンオーバーするナイスタックルを見せていました。本職はセンターでありながら、ウィングの動きもそつなくこなし総合力の高い選手です。2022年の日本代表のMVPと言って良いでしょう。
この試合ライリーと共に、ウィングに入ったシオサイア・フィフィタも、ゴール前ラインアウトからのサインプレーで後半23分にトライをあげるなど及第点の動き。他、スクラムハーフで先発した齋藤直人も先週のイングランド戦に続く2戦連続のトライをあげるなど光りました。
これで日本代表の2022年のテストマッチは終了となりました。個々に通用する選手はいるものの、FWのセットプレーやキッキングゲームなどで欧州の強豪とはまだ差があるように感じました。ただ、試合後ジェイミー・ジョセフHCも「今年はたくさん試合ができ、ワールドカップに向けていい方向に向かっていると思っています」と語った通り、課題が浮き彫りになりやるべきことが明確になったのではないでしょうか。ここからの進化を期待します。