ラグビー日本代表、ワールドカップ第2戦。予選プールDの大一番、イングランド戦が18日に行われた。課題のスクラムは安定し、後半途中まで1点差で食らいつく戦いを見せたが…。終わって見れば12-34、日本はノートライ、相手には4トライを献上しボーナスポイントを与える悔しい敗戦になった。
日本は開始早々FBセミシ・マシレワがインゴールでのボール処理を誤り、相手ボールスクラムのピンチを招く。プレッシャーがかかるファーストスクラムだったが日本はビクともせず、PR具智元が昨年の対戦からの成長を見せた。
日本はイングランドに先制を許すも、そこから2019年W杯を彷彿とさせる変幻自在のアタックで果敢に攻め返した。直近のテストマッチとは明らかに各選手動きが違った。戦術・コンディションの両面でこの一戦にチームとして照準を合わせてきたことが伺えた。
SO松田力也も覚醒したと言える動き。自在のラインコントロール、正確なゴールキックに加え、対面のフォードを潰すキックチャージも見事だった。
その松田が4本のペナルティゴールを決め、日本は後半途中まで12-13と1点差で食らいついた。しかし徐々にイングランドのキックとフォワードのプレッシャーが強くなってくる。56分、微妙な判定からイングランドFLローズにトライを許し12-20とされてしまう。
その後、両チーム交代カードを切り、イングランドは昨年日本を押したPRゲンジを投入。PR具は前半で交代しており、ここで力関係が変わってしまったか。66分、日本が崩されたスクラムから、イングランドは展開。SOフォードのキックパスに合わせ、FBスチュワードがインゴールに飛び込んだ。昨年の対戦と似たとられ方で、日本は心を折られてしまった。
試合終了間際にCTBマーチャントにも走られ4トライ目を奪われ、12-34で試合終了。相手にボーナスポイントを与える一方で、日本は7点差以内の負けに与えられるボーナスを取れず、勝ち点ゼロとなった。日本はトライチャンスがいくつかあったが、高温多湿なグラウンドコンディションもあったか、ボールコントロールを失ってとりきれなかった。
この試合でスクラムの安定や、連続攻撃の迫力も確認できた。変わらぬミスの多さを修正して、難敵サモア、アルゼンチン撃破につなげたい。リーチは試合後「落ち込む必要も時間もないので、10分くらい落ち込んで、次のサモア戦に向けて準備したいと思います」と前を向いた。