リーグワン、今週のマッチレポートは秩父宮ラグビー場で行われた"フライデーナイト"決戦。3月24日、前節終了時点でDIVSION1の6位リコーブラックラムズ東京と5位東芝ブレイブルーパス東京が激突。4位内に与えられるプレーオフ出場権のためにも両チーム負けられない一戦。
両チーム激しいディフェンスで前半無得点
前半は互いにディフェンスが激しくスコアは動かず。スタンドからは小雨に見えた雨もハンドリングに少なからず影響を与え、ミスも多くなりました。
リーチマイケル、ワーナー・ディアンズ、徳永祥尭と日本代表を3枚そろえるルーパスに対し奮闘が目立ったのがラムズフォワード。チームとしてもセットピースは「磨いている部分」(ヒューワットHC)。
前半24分にはマイボールスクラムで相手にプレッシャーをかけ、先制点のチャンスを生む(PG狙うもゴールは失敗で得点ならず)。守っても、前半終了間際、ゴール前で形成されたモールをラムズFWが寸断しターンオーバーを見せます。
後半ラムズに得点をもたらしたのも前線の頑張りから。開始早々、敵陣ゴール前のマイボールスクラムで、左PR西和磨がぐっと前に出てペナルティを獲得。今度はゴールも決まって3点を先制。直後にも再びスクラム戦を制し、ラインアウト→モールでトライ。リードを10点に広げます。
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動きが完全にバックス…ルーパス原田が見事なトライ
ルーパスにとって嫌な流れを変えたのが、後半11分にピッチに立ったHO原田衛。出場わずか7分後SHからボールを受けるとディフェンスのギャップを見逃さずトライラインまで一気に走り込み、貴重なチーム初得点をもたらします。走力、身のこなしは完全にバックスのそれ。背番号"16"ではなく"15"?思わず我が目を疑ったシーン。
原田のトライでチームにエナジーが生まれたルーパス。そこから攻勢を強めます。後半26分、ラムズは反則の繰り返しでシンビンに。数的優位の状況で連続攻撃を展開。バックスラインでのつなぎの中に、この日フル出場となったリーチも入り、最後はWTBジョネ・ナイカブラが右隅にフィニッシュ。12-10と逆転に成功します。
ラムズも後半36分PGを狙うも、FBマット・マッガーンのキックはわずかにそれ失敗。試合終了間際、敵陣で組んだモールも痛恨のペナルティ。スコア動かずルーパスが逃げ切りました。
前半からの我慢比べを耐え、チャンスをものにした
試合終了後、ルーパスのトッド・ブラックアダーHCは「タフでプレッシャーのかかる強度の高い試合だったが、しっかりチャンスをものにすることができた」、小川高廣選手は「前半から我慢比べだったが、自分たちのやるべきことを遂行した」と振り返りました。原田選手の動きについても「自分で行くのは素晴らしい」と積極性を評価。
わずか2点及ばなかったラムズ。けが人も多いチーム事情の中での奮闘に胸を張りながらも、ピーター・ヒューワットHCは「最後の20分、違う戦い方もあったかもしれない」と悔しさをにじませました。
【取材こぼれメモ】
この試合の観客者数は3,472人。ブラックラムズがホストとなる、直近の"秩父宮3連戦"では一番多い数字とのこと。