リーグワン2022-23シーズン、DIVISION1最終節。前節終了時点で、4位横浜キヤノンイーグルスとの勝ち点差はわずかに1。同5位の東芝ブレイブルーパス東京がプレーオフ進出に望みを残し、王者埼玉ワイルドナイツを秩父宮ラグビー場に迎えました。
積極的な姿勢を見せたが、反則がかさんだ
ルーパスとしては、勝利もさることながら3トライ差以上をつけて、ボーナスポイントも獲得したい。早くトライラインに迫ろうと、FLマイケルリーチを筆頭に、積極的に前に出る姿勢が見られました。
しかし、焦りも生んでしまったか。ペナルティが多く、前半35分にはLO梶川喬介がシンビンに。その間にワイルドナイツは効率良くトライを重ねました。ワイルドナイツは前半終了間際に伝家の宝刀カウンターアタック。ターンオーバーから一気に60m以上切り返し。BK陣でボールをつなぎ、最後はSH内田啓介がフィニッシュ。19-0とワイルドナイツリードで折り返します。
要所で"ラスボス"に阻まれ勝ち点を奪えず
後半に入ると、ルーパスも反撃。後半開始早々にPGを1本決め、19-3とします。58分には、連続攻撃からゴール前に迫り、WTBジョネ・ナイカブラが右隅に飛び込みチーム初トライ。19-8と迫ります。
しかし、ここで後半から投入された"ラスボス"ことワイルドナイツHO堀江翔太が立ち塞がりました。敵陣での密集にすっと体を差し込み、反則を誘います。これが相手の心を折る貴重なペナルティゴールにつながり、22-8とリードを再び広げました。直後の64分には、WTB竹山晃暉もダイビングトライで27-8に。
その後、ルーパスもPR橋本大吾が69分にトライを返しますが、ワイルドナイツはインターセプトでやり返し。主導権を渡しませんでした。
試合終了間際に一矢報いたものの、最終スコアは34-22でワイルドナイツの勝利。ルーパスは7点差以内の負けであれば、ボーナスポイント1を獲得できましたがあと1トライ足りず。この時点で横浜キヤノンイーグルスの勝ち点が上回ることが確定し、プレーオフ出場の夢は潰えました。
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小川主将が唇を噛んだ「ディシプリン」の乱れ
ワイルドナイツは、開幕からの連勝が止まった前節静岡ブルーレヴズ戦での敗戦から一転、快勝となりました。坂手淳史キャプテンは「先週の負けから、セットプレーや規律の部分を修正できた。これから始まるプレーオフに向けていい試合だった」、ロビー・ディーンズHCも「出場機会を与えられなかった選手に出場機会を与えられた」と収穫の多さを語りました。
ルーパスの敗因の一つとなったペナルティの多さ。小川高廣キャプテンは「(チームのディシプリンのところは)今週練習中から言ってきたところだったが、結果オフサイドをとられてしまった」。「みんなを信じていたからこそ、今日の試合ではあえて(ディシプリンという言葉を)言わなかった。これだけ言えば大丈夫だろうと…」と唇を噛みました。
この試合が今シーズン、ラストゲームとなったルーパス。今シーズンの成長点を問われ、トッド・ブラックアダーHCは「アタック面は数値を見ても良くなっている」と語りました。