14日に行われた、リーグワン2022-23準決勝の第二戦。レギュラーシーズンを充実の内容で2位で駆け抜けたクボタスピアーズ船橋・東京ベイと、レギュラーシーズンでのリベンジを期す東京サントリーサンゴリアスが、秩父宮ラグビー場で激突。
サンゴリアスに開始5分でレッドカード
負けられないプレーオフということでプレーの強度が上がります。開始5分でサンゴリアスLOツイ・ヘンドリックがスピアーズPR海士広大にラリアットのようなハードヒット。このプレーがTMOによりレッドカードの判定。サンゴリアスは試合の残り9割の時間帯を14人で戦うことなります。
15分、今度はスピアーズにもカードが。PR北川賢吾がハイタックルにより、シンビンとなります。これがペナルティゴールにつながり、サンゴリアスが3点を先取。
スピアーズも強力フォワードを全面に出して反撃。 24分、負傷した海士と交代で入ったPR紙森陽太が抑え7-3とします。
サンゴリアスはバックスが魅せます。30分、FB松島幸太朗が好判断でトライをアシスト。
ペナルティーから空いたスペースにキックを蹴り込み、WTBテビタ・リーが快速で追いかけトライ。前半はサンゴリアスが3点リードで折り返します。
ラストプレーで2度トライラインを割るも…
後半に入って、両チームペナルティーゴールを1本ずつ決め一進一退。
56分、スピアーズに逆転をもたらしたのは、南アフリカ代表の世界的HOマルコム・マークス。豪快な突進で一気にゴール前に迫りチャンスをつくり、ラックを挟み再びボールを持ち込みトライ。マークスはこの日、松島の突破も止めるなど攻守に活躍。
続いて76分、SOバーナード・フォーリーもギャップを見つけトライ。24-13とします。
サンゴリアスは絶体絶命。しかし試合は死にませんでした。フォワード・バックス一体の連続攻撃からSOアーロン・クルーデンが執念のトライ。ゴールは外れましたが、1プレーを残し6点差と迫ります。
息を吹き返したサンゴリアスは14人ながら運動量で上回り猛攻。自陣からバックスが切り返し、松島から外のWTB尾崎泰雅にパスが渡ってトライラインを駆けます。しかし滑川レフリーはTMOの判断。一連の攻撃でスローフォーワードがあり、トライは取り消しに。アドバンテージをもらっていたため、まだゲームは終わらず。サンゴリアスはタッチに蹴り出しモールにかけます。魂のプッシュで塊はインゴールへ、今度こそ――。しかしボールのグラウンディングが確認できず、再びのTMOによってトライならず。
スピアーズが24-18で逃げ切りました。
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サンゴリアスは自責、スピアーズHC「クレイジーゲーム」
もやもやの残るレフリングではありましたが、試合終了後サンゴリアス田中澄憲HCは「勝ちきれなかった部分はターニングポイントで取り切れなかったこと」「(レフリングについては)言うところではない。ラグビーがそれだけ複雑になっている」などと話し、ベクトルを自分たちに向けていました。
これでトップリーグ時代含めて初の決勝進出となったスピアーズ。レフリングについては異論を挟みませんでしたが、厳格な笛とTMOに翻弄されたゲームをフラン・ルディケHCは「クレイジーゲーム」と形容。ワイルドナイツ戦に向けて立川理道主将は「スキのないチーム。決勝戦の経験は少ないかもしれないが、自分たちのラグビーをするだけ。一週間自分たちにフォーカスしていく」と引き締めました。
【取材こぼれメモ】最後のモールトライのTMOは5分近くビデオを確認。スタジアムのスクリーンにも映像が映し出されていましたが、観客からは「トライだろ!」の声が多数。しかし、判定の結果ため息に変わりました。