リーグワン

日本ラグビー待望の新リーグ「リーグワン」とは?「トップリーグ」からここが変わった!

日本ラグビー待望の新リーグ「リーグワン」とは?「トップリーグ」からここが変わった!

写真:編集部

2021年から始まった日本ラグビー最高峰「リーグワン」とは、その特徴や、前身の「トップリーグ」から変わった点など概要をまとめる。

清宮克幸氏の構想から始まった「リーグワン」

リーグワンの構想が生まれたのは、日本中がラグビーの熱狂に湧いた2019年ワールドカップの開幕直前。

早稲田大学、サントリー、ヤマハの監督を歴任し、現在は日本協会副会長をつとめる清宮克幸氏が、カンファレンスで日本ラグビー初となるプロリーグの構想を語り、日経新聞などでスクープとして報じられた。

  • ワールドカップで試合が行われた12都市を「オリジン12」として、各都市に新チームを立ち上げる
  • 上位数チームが海外強豪チームと戦う「クロスボーダーマッチ」を設ける

といった、かつてない革新的なアイデアが語られた。

狙いを単純化してまとめると、アマチュアリズムが強かったラグビー界にも、サッカーのJリーグやバスケットボールのBリーグのようなプロリーグをつくろう、ということ。

その後コロナ禍や体制変更などもありつつ、2021年1月にリーグワンとしてリーグがスタート。

※クロスボーダーマッチは2023-24シーズンから正式に実施される

正式名称は「NTTジャパンラグビー リーグワン」

リーグワン公式HPより

リーグワンの正式名称は「NTTジャパンラグビー リーグワン」。"ONE"は、ラグビー日本代表の代名詞であり、2019年の流行語大賞にもなった、"ONE TEAM"を連想させる。

リーグワンのロゴは、黒と赤を基調に、日の丸をラグビーボールが包み込むデザインになっている。日本列島のラグビーの熱狂をひとつに集めるリーグと言えるだろう。

「ファン、チーム、企業、地域が熱狂を包み込み、結束や連帯感をデザインにすることで、LEAGUE ONEの世界に向けて飛躍している姿を表しています」

(リーグワン公式HPより)

また後にNTTがタイトルパートナーになり、大会名称に「NTT」が加えられた。


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「トップリーグ」からここが変わった

具体的にはトップリーグ時代からどこが変わったのか?

2部⇒3部制になった

以前は、トップリーグ16チームとその下部のチャレンジリーグ9チームによる2部制だった。

それがリーグワンでは、DIVSION1~3までの3部制に再編。トップリーグの順位のほか、各チームの事業運営力(収益性やファンクラブの力、SNSの発信力なども)を加味して総合的に判断された。

DIV1⇔DIV2⇔DIV3で、毎年入れ替え戦が行われ、昇格・降格争いが激しくなっている。2023-24シーズンからは、以下の区分けになる。

DIVISION1

  • 埼玉パナソニックワイルドナイツ
  • 静岡ブルーレヴズ
  • 東芝ブレイブルーパス東京
  • トヨタヴェルブリッツ
  • 東京サントリーサンゴリアス
  • 三菱重工相模原ダイナボアーズ
  • リコーブラックラムズ東京
  • 花園近鉄ライナーズ
  • コベルコ神戸スティーラーズ
  • 横浜キヤノンイーグルス
  • クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
  • 三重ホンダヒート(↑昇格)

DIVISION2

  • NECグリーンロケッツ東葛(↓降格)
  • 浦安D-Rocks
  • 釜石シーウェイブスRFC
  • 豊田自動織機シャトルズ愛知
  • レッドハリケーンズ大阪(↑昇格)
  • 九州電力キューデンヴォルテクス(↑昇格)

DIVISION3

  • 日野レッドドルフィンズ(↓降格)
  • 清水建設江東ブルーシャークス(↓降格)
  • クリタウォーターガッシュ昭島
  • 中国電力レッドレグリオンズ
  • マツダスカイアクティブズ広島

①ホスト&ビジター制度が導入された

▲秩父宮で行われた東京サントリーサンゴリアスのホストゲーム 
写真:編集部

トップリーグ時代は、厳密なホーム&アウェイにはなっておらず両チームとも全く関係のない地方で試合が組まれていたり、そもそもホームスタジアムがないチームもあったが、リーグワンでは、各チームに本拠地・ホームスタジアムが割り当てられている。

「ホスト&ビジター」という名称で、ホストゲーム・ビジターゲームの区分けが明確に。スタジアムの雰囲気も変わり、場内実況などでホストチームを盛り上げるような工夫が見られるようになった。

ただ、プレーオフなど一部の試合は主管がチームではなく、リーグという運用も見られる。

②チーム名に地域名が入るように

本拠地を明確化するために、リーグワンへの以降にあたりチーム名に地域名が追加。その結果NTTコムなどは一時、「NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安」というとてつもない長さのチーム名になった(29字)。

一方、静岡ブルーレヴズ(前身はヤマハ発動機ジュビロ)のように、企業名を排して、チームを運営する新会社を設立しているチームも。先述のNTTコムも、2022-23シーズンから浦安D-Rocksにリブランディング。

③レベルアップ&プロ選手の増加

これは定量的なデータで示すのは難しいが、大物外国人選手が多数参加し、よりレベルの高いプロフェッショナルなリーグになっている。当初構想のような完全プロリーグにはなっていないものの、プロ選手も増えていて「現在50~60%がプロ選手」(リーグ関係者)とのこと。

リーグワンは今産みの苦しみで、課題もまだまだ多い。ホスト&ビジター制を導入したが故、地方開催が少なくなり地方ファンからは不満も出ている。また、集客面も1季から2季と上積みはされているものの、リーグが当初掲げていた目標値とはギャップがある

しかし、かつてないハイレベルなリーグになっているのは間違いない。

2024-25シーズンから新規参入チームも

リーグは2024-25シーズンから新規参入チームを受け入れる。編集部が取材したルリーロ福岡も、その参入を目指すチームの一つ。

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