リーグワン

日本ラグビー待望の新リーグ「リーグワン」とは?「トップリーグ」からここが変わった!

2022年12月5日

日本ラグビー待望の新リーグ「リーグワン」とは?「トップリーグ」からここが変わった!

写真:編集部

2021年から始まった日本ラグビー最高峰「リーグワン」とは、その特徴や、前身の「トップリーグ」から変わった点など概要をまとめていきます。

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清宮克幸氏の構想から始まった「リーグワン」

リーグワンの構想が生まれたのは、日本中がラグビーの熱狂に湧いた2019年ワールドカップの開幕直前でした。

早稲田大学、サントリー、ヤマハの監督を歴任し、現在は日本協会副会長をつとめる清宮克幸氏が、カンファレンスで日本ラグビー初となるプロリーグの構想を語ったのです。日経新聞などでスクープとして報じられました。

  • ワールドカップで試合が行われた12都市を「オリジン12」として、各都市に新チームを立ち上げる
  • 上位数チームが海外強豪チームと戦う「クロスボーダーマッチ」を設ける

といった、実現には至っていないもののかつてない革新的なアイデアが語られました。

狙いを単純化してまとめると、アマチュアリズムが強かったラグビー界にも、サッカーのJリーグやバスケットボールのBリーグのようなプロリーグをつくろう、ということです。

その後コロナ禍や体制変更などもありつつ、2021年1月にリーグワンとしてリーグがスタートしました。

正式名称は“JAPAN RUGBY LEAGUE ONE”

リーグワン公式HPより

リーグワンの正式名称はJAPAN RUGBY LEAGUE ONE。その"ONE"は、ラグビー日本代表の代名詞であり、2019年の流行語大賞にもなった、”ONE TEAM"を連想させます。

リーグワンのロゴは、黒と赤を基調に、日の丸をラグビーボールが包み込むデザインになっています。日本列島のラグビーの熱狂をひとつに集めるリーグと言えそうです。

「ファン、チーム、企業、地域が熱狂を包み込み、結束や連帯感をデザインにすることで、LEAGUE ONEの世界に向けて飛躍している姿を表しています」

(リーグワン公式HPより)

また後にNTTがタイトルパートナーになり、大会名称に「NTT」が加えられました。

「トップリーグ」からここが変わった

具体的にはトップリーグ時代からどこが変わったのか?

2部⇒3部制になった

以前は、トップリーグ16チームとその下部のチャレンジリーグ9チームによる2部制でした。

それがリーグワンでは、DIVSION1~3までの3部制に再編。トップリーグの順位のほか、各チームの事業運営力(収益性やファンクラブの力、SNSの発信力など)も加味して総合的に判断されました。

DIV1⇔DIV2⇔DIV3で、毎年入れ替え戦が行われ、昇格・降格争いが激しくなります。2023-24シーズンからは、以下の区分けになります。

DIVISION1

  • 埼玉パナソニックワイルドナイツ
  • 静岡ブルーレヴズ
  • 東芝ブレイブルーパス東京
  • トヨタヴェルブリッツ
  • 東京サントリーサンゴリアス
  • 三菱重工相模原ダイナボアーズ
  • リコーブラックラムズ東京
  • 花園近鉄ライナーズ
  • コベルコ神戸スティーラーズ
  • 横浜キヤノンイーグルス
  • クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
  • 三重ホンダヒート(↑昇格)

DIVISION2

  • NECグリーンロケッツ東葛(↓降格)
  • 浦安D-Rocks
  • 釜石シーウェイブスRFC
  • 豊田自動織機シャトルズ愛知
  • レッドハリケーンズ大阪(↑昇格)
  • 九州電力キューデンヴォルテクス(↑昇格)

DIVISION3

  • 日野レッドドルフィンズ(↓降格)
  • 清水建設江東ブルーシャークス(↓降格)
  • クリタウォーターガッシュ昭島
  • 中国電力レッドレグリオンズ
  • マツダスカイアクティブズ広島

①ホスト&ビジター制度が導入された

▲秩父宮で行われた東京サントリーサンゴリアスのホストゲーム 
写真:編集部

トップリーグ時代は、厳密なホーム&アウェイにはなっておらず両チームとも全く関係のない地方で試合が組まれていたり、そもそもホームスタジアムがないチームもありました。それがリーグワンでは、各チームに本拠地・ホームスタジアムが割り当てられています。

「ホスト&ビジター」という名称で、ホストゲーム・ビジターゲームの区分けが明確になりました。試合会場の雰囲気も変わり、場内実況などでホストチームを盛り上げるような工夫が見られるようになりました。

ただ、プレーオフなど一部の試合は、主管がチームではなく、リーグという運用も見られます。

②チーム名に地域名が入るように

本拠地を明確化するために、リーグワンへの以降にあたりチーム名に地域名が追加されました。その結果NTTコムなどは、「NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安」というとてつもない長さのチーム名になりました(29字)。

また、静岡ブルーレヴズ(前身はヤマハ発動機ジュビロ)のように、企業名を排して、チームを運営する新会社を設立しているチームもあります。

③レベルアップ&プロ選手の増加

これは定量的なデータで示すのは難しいですが、昨年も大物外国人選手が多数参加し、よりレベルの高いプロフェッショナルなリーグになっています。当初の構想のような完全プロリーグにはなっていませんが、プロ選手も増えていて「現在50~60%がプロ選手」(リーグ関係者)となっています。

リーグワンは今産みの苦しみで、課題もまだまだ多くあります。ホスト&ビジター制を導入したが故、地方開催が少なくなり地方在住者からは不満も出ていました。また、集客面も1季から2季と上積みはされているものの、リーグが当初掲げていた目標値とはギャップがあります

しかし、かつてないハイレベルなリーグになっているのは間違いありません。ぜひその迫力を楽しみましょう!

2024-25シーズンから新規参入チームも

リーグは2024-25シーズンから新規参入チームを受け入れるとしています。編集部が取材したルリーロ福岡も、その参入を目指すチームの一つです。

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