ラグビー「リーグワン」観戦中に気になるのが外国人選手の多さではないでしょうか。試合メンバー表を見ると、たいていどの試合も15人中の約半数がカタカナ名という状態です。外国人選手枠はどうなっているのでしょうか。リーグの規定を確認していきます。
カテゴリB・Cが実質的な外国人選手枠で最大4人
リーグワンでは登録選手が「日本代表資格があるかないか」でカテゴリA~Cの3つのどれかに振り分けられます。
- カテゴリA 日本代表資格がある選手
- カテゴリB 日本代表資格が今はないが、今後獲得見込み
- カテゴリC 日本代表資格がなく、今後もその可能性はない
カテゴリAは日本代表資格がある選手の枠です。純粋な日本人のほか、リーチ・マイケルのような帰化選手、ピーター・ラブスカフニのような日本代表資格を得た外国籍選手もここに入ってきます。
カテゴリBは日本代表資格が今はないが、今後獲得見込み選手の枠です。他国でのフル代表歴がなく、リーグワンで初来日する外国人選手はここに入ってきます。たとえば、リードラグビーが推すトンガ出身オペティ・ヘルもカテゴリBの選手です。
カテゴリCは日本代表資格がなく、今後もその可能性はない選手の枠です。つまりすでに他国でフル代表資格がある外国選手が該当します。南アフリカ代表のファフ・デクラークはじめ、【【2022-23年】南半球の実力者ズラリ!「リーグワン」"大物外国人選手"10選】で紹介している選手はすべてカテゴリCです。
カテゴリB・Cが実質的な外国人選手枠となっていて、あわせて最大4人まで試合に同時出場させることができます(ただし、カテゴリCは最大3人まで)。なので「外国人枠は4人」という捉え方ができそうです。
でもカタカナ選手が半数以上なのはなぜ?
ただ、実際に試合を見た読者の方は「外国人選手はもっと多いんじゃ?」と首をかしげるでしょう。
例として、21日に行われた横浜キヤノンイーグルス対NECグリーンロケッツ東葛の先発メンバー15人をそれぞれ見ていきましょう。
横浜キヤノンイーグルス先発メンバー
- 岡部崇人 カテゴリA
- 朴成浩 カテゴリA
- 津嘉山廉人 カテゴリA
- マックス・ダグラス カテゴリB
- リアキマタギ・モリ カテゴリA
- シオエリ・ ヴァカラヒ カテゴリA
- ミッチェル・ブラウン カテゴリB
- アマナキ・レレイ・マフィ カテゴリA
- 荒井康植 カテゴリA
- 田村優 カテゴリA
- 竹澤正祥 カテゴリA
- 南橋直哉 カテゴリA
- ジェシー・クリエル カテゴリC
- ヴィリアメ・タカヤワ カテゴリA
- エスピー ・マレー カテゴリB
NECグリーンロケッツ東葛先発メンバー
- 石田楽人 カテゴリA
- アッシュ・ディクソン カテゴリB
- 土井貴弘 カテゴリA
- 山極大貴 カテゴリA
- ジェイク・ボール カテゴリC
- フェトゥカモカモ・ダグラス カテゴリB
- 亀井亮依 カテゴリA
- アセリマシヴォウ カテゴリA
- ニック・フィップス カテゴリC
- 金井大雪 カテゴリA
- 尾又寛汰 カテゴリA
- クリスチャンラウイ カテゴリA
- ティムベネット カテゴリA
- 杉本悠馬 カテゴリA
- レメキロマノラヴァ カテゴリA
実際に両チームともカタカナ選手は15人中8人と過半数を超えています。これはカテゴリAにカタカナ選手が含まれているからです。
内訳を見ると高校や大学で日本に来た留学生選手が多く、彼らは日本代表資格である5年間の居住経験をクリアしています。
例えば高校から来日した場合は、大学を卒業しリーグワンに加入するときには7年間居住している計算になります。また大学から来日した場合でも、大学4年間+1年間リーグワンでカテゴリBとしてプレーすればこのカテゴリA扱いに。
さらにカテゴリAの適用範囲は広く、トップリーグ時代の「アジア枠」扱いだった選手もカテゴリAに含めることができます(ただし自国代表歴があるとカテゴリBになる)。
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日本人選手にチャンスが回ってこないという懸念も
トップリーグ時代から実質的に外国人選手枠は拡大しています。カテゴリAの適用範囲が広くなり、カテゴリCの他国代表歴がある選手の出場枠も増えています。トップリーグ時代は2人まででしたが、リーグワンでは3人まで認められています。
ここで懸念されるのが若手の日本人選手になかなかチャンスが回ってこないこと。とくにスタンドオフなど要のポジションは実績のある外国人選手で埋まっていて、ここに大卒の日本人選手が喰い込むのはなかなか難しい状況です。
外国人選手枠の実質拡大によって、リーグのレベルが一段と上がっていますが、日本人選手の育成も同様に考えなければなりません。難しい問題ですが、枠の見直しが再度求められているのではないでしょうか。