今季からリーグワンに参入したルリーロ福岡。独自スポンサー制度など、前例のないラグビークラブの仕組みを整えている。そして九州で数少ないトップチーム、「トライアウトはなく、基本来るもの拒まずでやってます」(後藤裕太GM)というウェルカムな姿勢もあって、多くの選手たちを引きつけている。続々と選手が加入し、現在なんと選手数70人を越える大所帯だ。
「(70人もいて)一人ひとり違って。そんなチーム他にないですよね」そう語るのは、今季新加入ながらチーム不動の司令塔・松尾翔太郎。1月のウォーターガッシュ昭島戦後に、話を聞くことができた。
果樹園、製材所、不動産、自治体…このチームの特徴は、同じ企業に属するのではなく、各々が別々の職場で働きながらラグビーをしている選手たちの集まりだ。
「やっぱりラグビーが好きで集まって、何か犠牲にしてやっている」
松尾の場合はNTTドコモで営業職として働いている。朝6時前に出社し、夕方4時半に退社、そこから練習に向かい、帰宅するのは深夜12時過ぎ——そんな毎日だという。
「120%大変です。でも好きでやっているので。会社の人、奥さん、支えてくれる人の理解がないと」
松尾は昨シーズン怪我をして、前所属チームでプレーできなくなった経緯がある。そんな彼にルリーロ福岡から声がかかった。
「家族、両親にもここ最近ラグビーをしっかり見せれてなかったし、仲間もいますし、福岡でもう一回プレーしようと」
松尾はNTTドコモに所属しながら、福岡支社への異動という形でルリーロでのプレーを実現させた。
「NTTって本当にありがたいことに、リモートワークだったり、勤務時間のフレックスもできるので」とその環境に感謝を示す。仕事内容は「iPadやAIを売っています」学校機関へのICTソリューションの提案をしているようだ。母校の東福岡高校にも行き、「何千台と…」戦果を上げたとのこと。
ラグビーに戻る。取材日はウォータガッシュに完敗し、開幕4連敗。支えてくれる人を思い浮かべ「そろそろ勝ちが観たいと思います」と唇を噛んでいた。その言葉から約2ヶ月、チームは中国電力レッドグリオンズ戦で、リーグワン初勝利、松尾も3つのペナルティーゴールを決め勝利に貢献した。
取材・文:竹林徹(リードラグビー)