リーグワン、今週のマッチレポートは交流戦の静岡ブルーレヴズ対横浜キヤノンイーグルス。この試合まで3連勝中と好調をキープするイーグルスに対し、今季まだ2勝のレヴズがアウェーでいかに立ち向かうか。
圧巻だった"デクラーク引きずり"トライ
展開力、個々のタレントで優るイーグルス。南アフリカ代表SHファフ・デクラーク-日本代表SO田村優という豪華なホットラインでトライを奪うなど、一時12点差までリードを広げます。しかしここにレヴズのFLクワッガ・スミスが立ち塞がります。
前半終了間際、密集からボールを持ち出すと一人、二人と弾き、最後は"南ア対決"追いすがるデクラークも引きずってトライ。強引に流れを引き寄せます。
後半に入ってレブズはもう1トライ追加し15-15の同点に追いつきます。そして後半31分、またしてもスミス。ゴール前で得たペナルティからピックアンドゴーで猛然と突進。貴重な勝ち越しトライをあげました。しかし、その後すぐさまイーグルスもWTB竹澤正祥が切り返しゴールラインを駆けます。難しい位置からのキックも決まり22-22。
ラスト10分の攻防では、お互いに得点チャンスを掴みますがミスに鳴き加点ならず。結局そのまま試合終了となりました。両チーム合わせて30近いペナルティがあり、やや笛が多い試合となってしまいました。
「素晴らしい以外の言葉がない」指揮官ベタ褒め
記者会見では、2トライの活躍でPOM(プレイヤーオブザマッチ)に輝いたスミスに話題が集まりました。レヴズの堀川HCが「素晴らしい以外の言葉がない」「背中で見せるリーダー」「本当に尊敬しています」とべた誉めすれば、敵将の沢木HCも活躍を問われ、「(同じFLで)うちの嶋田もジャッカル決めましたけど…」と牽制しつつ「素晴らしい選手」とコメント。
181cm91kgと恵まれた体格がなくともひたすらに愚直なプレーで一流を証明するスミス。日本人選手がお手本とすべき存在です。
【取材こぼれメモ】この試合はナイター開催。5,929人の観客が集まりました。試合終盤、同点で攻守が入れ替わるスリリングな展開に観客の声量もアップ。普段にはない高揚感に包まれていました。