コロナ禍を経て、今季から観客の入場制限が撤廃されたリーグワン。DIVISION1の平均観客数は第10節までのデータで平均5,648人となっていて、昨年の平均4,213人から約34%のアップとなっていました。ただし、リーグワンが目標に掲げる1万5千人には程遠く、トップリーグ時代に一度到達した1万人台から見ても半分程度の数字になっています。
リーグワン~トップリーグ20年間の観客数推移
上のグラフはリーグワン前身のトップリーグ時代からさかのぼった20年間の平均観客数の推移です。
灰色となっているのがトップリーグ、黒色となっているのがリーグワンです。大会フォーマットが年度ごとに違ったり、またトップリーグ時代は1試合平均でなく1会場平均(ダブルヘッダーの場合は合計)の数字となりますが、わかりやすさを重視して横並べにしました。
2019年のワールドカップまではおおむね5千人前後で推移していました。
そして自国開催ワールドカップでのフィーバーを受け、翌2020シーズンは平均1万1,366人と一気に伸びていることがわかります。しかしこのシーズン途中でコロナ禍が本格化、リーグが打ち切られてしまいます。
そしてトップリーグ最終年は観客数制限や無観客試合もあり、平均3,425人までダウン。
リーグワン2季目は昨季から約34%アップ
そして昨年スタートしたリーグワン。1季目はDIVISION1の平均観客数が4,213人。
そして現在開催中の2季目が第10節までのデータで、平均5,648人。前年から約34%のアップとなっていました。
要因としてはコロナ禍を抜け、今季から入場者数制限が完全になくなったことが一番大きいでしょう。
またリーグワンになってから、各チームがチケットの販売を担うようになりましたが、その営業努力が実を結び始めているとも言えます。開幕前に静岡ブルーレヴズの山谷社長にもお話を聞きました。
チームごとの平均観客数を見ると、東京サントリーサンゴリアスがトップで、8千人を越えていました。
DIV1チーム別平均観客数
東京サントリーサンゴリアス 8,012
埼玉パナソニックワイルドナイツ 7,097
トヨタヴェルブリッツ 6,722
横浜キヤノンイーグルス 6,264
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ 5,911
東芝ブレイブルーパス東京 5,795
コベルコ神戸スティーラーズ 5,656
花園近鉄ライナーズ 5,379
リコーブラックラムズ東京 5,327
静岡ブルーレヴズ 5,278
三菱重工相模原ダイナボアーズ 4,221
NECグリーンロケッツ東葛 3,232
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リーグ目標の1万5千人にはほど遠く…
ただリーグが目標とする1万5千人にはほど遠い状況。また、5,648人という数字はトップリーグ2020の半分程度で物足りなさは残ります。
今リーグには世界中から実力選手が揃い、各チームがかつてない高いレベルでしのぎを削っています。
開幕節で昨季DIVISON2だった三菱重工相模原ダイナボアーズが快勝したのが象徴的だったように、予想を裏切る番狂わせも多くなっています。間違いなくグラウンド上での戦いは面白くなっている。
では、なぜスタジアムが埋まらないのか。端的に言ってまだまだリーグ自体の認知度が低いのではないでしょうか。ラグビーに興味はあっても「試合をやっているのを知らない」「リーグワンという名前自体知らない」という声をよく聞きます。
また、長過ぎるチーム名や馴染みのない海外出身選手が多い、といった点もライトファンにとってはマイナスポイントでしょう。
いかにマイナス要素を消して、魅力を伝えていくか。編集部でも引き続きリーグの情報を発信していくとともに、建設的な問題提起も行っていきます。