リーグワン2024-25シーズン第3節、駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場で行われた一戦。埼玉パナソニックワイルドナイツがリコーブラックラムズ東京を39-16で下した。
最終的にスコアは離れたが、試合の3/4の時間帯までブラックラムズが抵抗した。「激しい強さを感じた」(ワイルドナイツ・坂手)と敵将も認めた、ボール争奪戦のブレイクダウンで一歩も引かずに、ターンオーバー。
スクラムでも、日本代表の一列を擁する相手からペナルティを奪った。
ブラックラムズは、昨秋日本代表に招集されたSO中楠一期のペナルティゴール3本で追いかけ、17-9とワイルドナイツリードで前半を折り返し。
47分には、今季ブラックラムズに加入したNZ代表“オールブラックス”SHのTJ・ペレナラがボールを持ち出し、密集をスルリと抜け出す。CTB池田悠希につないで、20-16と一時4点差に迫るトライをアシストした。
しかし、やはりワイルドナイツは試合巧者だった。55分、日本代表WTB長田智希が個人技で翻弄、ブレーキを効かせ3人のタックラーを交わしトライ。68分に長田がもう1本、71分にFL長谷川崚太もトライを決め、一気に勝負を決めた。
苦しんだワイルドナイツだったが、LOオッキー・バーナード、SH萩原周という若手選手(ともに23歳)に、プレータイムを与える余裕もあった。坂手淳史主将は、バーナードについては「ボールキャリー、ディフェンスという持ち味を出してくれた」、萩原については「緊張していましたね(笑)。ただ、その割にはプレーはすごく落ち着いていたんじゃないんですか」と試合後にコメント。
後半引き離されてしまった、ブラックラムズ。武井日向主将は、強豪相手に「食らいつく」のではなく、「本当に倒しに行く」マインドセットを80分持続させていきたい、とした。
8,403人を集めた駒沢での一戦。この地での過去最多の観客数を記録したものの、武井主将は「もっともっとこの会場を満員にしたい」と、ここ世田谷をホストエリアとするチームとして更なる成長を誓った。
取材・文:竹林徹(リードラグビー)