リコーブラックラムズ東京は、1月4日の埼玉パナソニックワイルドナイツ戦に敗れこそしたが、ホストスタジアムの駒沢オリンピック公園に過去最多となる8,403人の観客を集めた。
好集客の要因についてチーム広報の野田氏は「世田谷区で地域活動をしてきたことが実になってきた」と、地域での地道な取り組みをあげる。当メディアも過去、区立中学でのラグビー験会を取材したこともあるが、こういった地域活動をなんと年間180回(2023年度)! 2日に1回のペースで積み重ねてきたという。
また、この試合では世田谷区屈指の人気イベントという「世田谷パン祭り」とコラボ、これで一見客を引き寄せられたという。「中央広場での無料開催のイベントでした。ふらっと散歩に来た人がパンを購入し、当日券を購入する流れを作れています」とコメント。もちろん、相手がスター選手そろう強豪ワイルドナイツだったことも、集客にはプラスに働いたはず。
「地域密着」の意識は、選手・HCからも伺えた。
試合後の会見で武井日向主将は「地域との繋がりというのはすごく僕たちも大事にしてる部分です。ラグビー以外の所でも積極的に地域活動を行っています」とコメントし、「もっと多くの世田谷区民の方にブラックラムズを知ってもらって、さらにこの会場が満員になれば」と呼びかけていた。
ニュージーランドなど、強豪国で豊富な指導歴を持つタンバイ・マットソンHCは「コミュニティとの関係性が強い方が、(ラグビーにおいても)いいパフォーマンスができると思っています」と、地域密着がひいてはラグビーの結果にもつながるとコメント。
ちなみにマットソンHCは生活圏も世田谷にあるそうで、「世田谷はベストシティです、愛しています。砧公園がお気に入りでよく散歩に行きます。私が住んでいるところは病院も近くて⋯」と“地元”の魅力を熱っぽく語っていた。
なお、この日の夜には同チームがテレビ東京「出没!アド街ック天国」の二子玉川特集で紹介され、ランキング9位に選ばれていた。
取材・文:竹林徹(リードラグビー)