昨年イングランドを離れ、その去就に注目が集まっていたエディー・ジョーンズ氏。
1月15日に続報が入った。自身の出身地であり、2001年から2005年まで指揮をとっていたオーストラリア代表「ワラビーズ」HCに返り咲くことが決定。今年から2027年までの長期契約を結んだようだ。
オーストラリアは"母国" 2003W杯では準優勝果たす
エディー・ジョーンズ氏は日系オーストラリア人。スーパラグビーの同国チームや代表チームの指揮をとり、輝かしい実績をオーストラリアラグビー界に残している。
2003年のワールドカップではオーストラリア代表を率いて決勝に進出。延長線の末、イングランド代表ジョニー・ウィルキンソンの劇的ドロップゴールに涙をのんだが、準優勝を達成。
しかし、2005年にテストマッチ7連敗などがあり代表HC解任。その後も同国のクラブチーム・レッズのHCを務めましたが思ったような結果が出せず、立場を追われてしまう。その後は日本、イングランドへと活躍の場を移していた。
なぜ20年ぶりに"母国"への復帰がかなったのか?背景にあるのは、近年のオーストラリア代表の不振だ。
2019年のワールドカップでは予選プールこそ勝ち抜いたものの、トーナメントの初戦でエディーHCが率いたイングランド代表に敗退。同じ南半球のニュージーランド、南アフリカの後塵を拝し、アルゼンチンにも昨年の「ラグビーチャンピオンシップ」で31点差で大敗した。
協会チェアマン「大きなクーデター」エディーHC「W杯優勝」
求められているのは、チームの立て直し。オーストラリアラグビー協会のハミッシュ・マクレナン氏は、就任に当たって「クーデター」という強い表現を使ったことからも読み取れるように、大胆なテコ入れを期待しているようだ。以下マクレナン氏のコメント要約。
「世界最高のコーチがワラビーズのコーチとして帰国し、ワラルーも監督することは、オーストラリアラグビー界にとって大きなクーデターとなります。彼は私たちのラグビーシステム、選手グループ、方向性について良く理解している。チームを次のレベルに引き上げてくれるだろう。大舞台での豊富な専門知識と経験を持つ彼を逃したくなかった」
エディーHCも下記のようにコメント。「ワールドカップ優勝」という表現も出ている。
「オーストラリアに帰国し、ラグビーワールドカップで母国を率いることができるのは、素晴らしい機会です。ワラビーズの選手層は厚く、本当に才能のある選手たちばかりです。全員がフィットし、怪我などがなければ、フランスの地で24年ぶりにワールドカップ優勝をもたらすことができると確信しています。帰国して、ラグビーに没頭するのが楽しみです」
始動は1月29日から、また女子代表の「ワラルース」の指導にも携わるとのこと。