リーグワン静岡ブルーレヴズの新指揮官として藤井雄一郎氏が就任し、10月21日に記者会見が行われた。
藤井氏は、トップリーグ時代に福岡サニックスブルースを約10シーズン率いた後、サンウルブズや日本代表で要職を務め実績を残してきた。2019年W杯で日本代表初のベスト8に貢献、先日戦いを終えたばかりの2023年W杯でもナショナルチームディレクターとしてチームに帯同していた。
レヴズは過去2シーズン下位に沈んだ。
チーム運営会社社長兼強化部部長/ゼネラルマネジャーの山谷拓志氏は「優勝争いができる強いチームを、という視点で過去2年指導者のことを考えていました」と、藤井氏を迎えた背景を語った。
昨シーズンはDIVSION1で12チーム中8位。
藤井氏は現状のチームの立ち位置を「全チームに勝ち星を計算される」と表現した。熾烈なリーグワンの戦い。プレーオフを狙う上位チームにとっては星を落とせない相手であり、入れ替え戦を回避したい下位チームも全力で勝ちを狙ってくる。「そう簡単に勝ち星を渡さないしぶといチームをつくっていきたい」と意気込んだ。
ヤマハ時代からスクラムやモールなど局地戦に活路を見出すチームだが、「色々なことができるチームにしないとトップ4には勝てない。選手のポテンシャルは変わらないが、トップ4に比べて精度に伸びしろがある」と課題感を口にした。
「いくつかのチームからオファーを受けた」と明かし、その中からレヴズを選んだのはサンウルヴズ、日本代表で同僚だった長谷川慎コーチの存在が大きいようだった。
長谷川氏も今季から古巣であるレヴズのコーチングスタッフに復帰する。藤井氏は「長谷川の方から口説かれました。サンウルブズ時代も含めて7年間一緒。彼とは家族より長く時間を過ごしてきました。年々(コーチング)レベルも上がっている。スクラムだけでなくフォワードは全部任せます」と、全幅の信頼を置いている様子だった。
また前監督の堀川隆延氏もチームに残り、ディフェンスの部分を任せるとのこと。
これまでの局地戦の強さやディフェンススタイルの積み上げはそのままに、藤井氏はアタック面で自身の色をつけてくれそうだ。新しいレヴズスタイルに注目したい。