リーグワンDIVISION1第12節、静岡ブルーレヴズがホストのヤマハスタジアムに三重ホンダヒートを迎え撃った。ともに親会社はバイクを主力商品とする"2輪メーカー対決"、選手入場の際にはヤマハ、ホンダそれぞれのバイクがお目見えし華を添えていた。
試合が始まってエンジンのかかりが早かったのはブルーレヴズの方だ。ファーストスクラムで圧倒。そして9分、NO.8マルジーン・イラウアのファーストトライを皮切りに前半だけで5トライを重ねる。ディフェンスも選手間で盛んにコミュニケーションの声が聞こえるなど意識高く、個に力強いヒートの突進を止め続けた。
前半は0点に終わったヒートも後半に入って10分の間に2連続トライを返す。流れが変わるかとも見えたが、すぐさまブルーレヴズもWTBマロ・ツイタマが取り返し36-14とセーフティーリードを保つ。後半26分、この試合が公式戦150試合出場となるブルーレヴズのレジェンド、SH矢富勇毅も投入され、スタジアムが大いに湧いた。最後に1本トライを加え、ブルーレヴズが43-14で勝利した。
ブルーレヴズはお家芸とするスクラム戦でも優位に立ち、80分間有形無形のプレッシャーを与え続けた。プロップ・オブザ・マッチには1番PRとして先発出場した茂原隆由を選出したい。
身長187cmだがスクラムの際は膝を折ってぐっと低くなれる。ファーストスクラムで相手の懐に入りこみ体を宙に浮かす、"お神輿スクラム”を見せていた。
中央大学出身の24歳。2年目にして定位置をつかみつつあり、この試合が4戦連続の先発出場。藤井雄一郎監督も「体が大きく、よく走り、戦術に沿って強いスクラムを組める。現状でチームNO1のプロップだと思います」とフィールドプレー含めて評価する。
ブルーレヴズはこの勝利で6位に浮上。プレーオフ進出の可能性はまだある。残り4試合は上位チームとの対戦だが、敵将からも「(ブルーレヴズは)リーグの中でベストなスクラムを組むチームの一つ」(ヒート・クローリーHC)と恐れられるスクラムがやはり一番の戦いどころになるだろう。若きPR茂原のひと押しにも期待だ。