ラグビー日本代表、天下分け目の決戦!10月8日フランスワールドカップ予選プールD最終戦、日本はアルゼンチンと決勝トーナメント進出をかけて戦う。すでにイングランドが1位通過を決めており、この試合を制したチーム(引き分けの場合はアルゼンチン)が残り1枠に滑り込む。
ワールドカップ開幕時点では、アルゼンチンがこのプールの中で世界ランキング最上位だった。近年の充実度(昨年は敵地でオーブラックス撃破)を見ても、予選プール"最強の相手"と言えるだろう。
アルゼンチンは攻守にバランスがとれた完成度の高いチームだ。
伝統的な強みであるフォワードのスクラム・モールは、これまで戦ってきたサモアやイングランドにはない巧さがある。そして獰猛なLOラヴァニ二、日本のリーグワンでもプレーするFLマテーラ、走力のあるNo.8ゴンザレスらがボールを持ってどんどん前に出てくる。
バックスは、サッカーの国らしく足技もからめ得点を狙ってくる。SOとWTBに入ったカレーラス兄弟の決定力は要警戒、そしてもう一方のWTBで出場するボフェリも長距離砲として50mのキックを軽々決めてくる。
ディフェンスもしぶとい。フィットネスが切れずに80分間精度の高いダブルタックルで攻撃を寸断する。ワールドカップ初戦のイングランド戦では敗れたものの、結果的に相手をノートライに抑えている。
日本は"最強の相手"にどう戦うか。まず守る時間がかなり長くなることを覚悟しなければならない。セットプレーで互角以上に渡り合い、どんどん走り込んでくる相手に対し前で止め続けたい。ディフェンスは浦安合宿でも強化してきた部分で、ワールドカップに入って徐々に成果が見えてきた。
また攻めては、ペナルティゴールで手堅く3点を奪いつつ、少ない手数でトライを狙いたい。ボールを継続しようとする過程で、相手に絡まれてボフェリの長距離砲の餌食になるのは避けたいところだ。
キーマンは、この決戦でワールドカップ初先発・初出場となるWTBシオサイア・フィフィタ。ケガもあり今年テストマッチには1試合も出場していない、いわば"隠し玉"となる。187cm105kgの大型バックス、ナタのような重たいランが世界トップ国にも通用することは、昨年の欧州遠征でも証明済み。ちょうど1年前、このフランスの地でトライを奪っている。セットプレーからフィフィタを絡めた、スペシャルサインプレーもありそうだ。